違憲審査基準って、小難しい言葉がたくさんあって混乱しがちですよね。
「厳格な合理性の基準」とか「明白性の基準」とか。
あと、「二重の基準」と「目的二分論」とか似ている言葉があったり。
ちょっと分かりづらいと思ったので、図にしておきました。
とりあえず複雑な要素は省いてスッキリまとめたので、これで概要をざっくり押さえておいてください。
「厳格な合理性の基準」は、他のゆるやかな規制では立法目的を十分達成できないときに限って合憲とする基準です。厳しいですね。「薬局距離制限事件」では、この基準によって距離制限が違憲と判断されました。
「薬局距離制限事件」を分かりやすくまとめました
今回のテーマは「薬局距離制限事件」です。
薬局を新しく開設する際、既存の薬局から一定の距離をあけなければならないとする薬事法の規定が憲法22条に違反しないか争われた事例です。
事件の概要
Aは新たに薬局を開設するために...
一方「明白性の基準」は、規制が著しく不合理であることが明白でない限り合憲とする基準です。経済発展や福祉国家の実現は立法府の裁量に任されている部分なので、裁量の逸脱がない限り裁判所は違憲判断をしませんよ、ということですね。「小売市場距離制限事件」では、この基準によって距離制限が合憲と判断されました。
「小売市場距離制限事件」を分かりやすくまとめました
小売市場の開設に距離制限が設けられていることが憲法違反となるかが争われた事件について分かりやすく解説しました(最判昭47.11.22)
なお、似た判決で「公衆浴場距離制限事件」というのもあるのですが、こちらは消極目的と積極目的が合わさった形で判断され、結論としては合憲とされました。
(※環境衛生の確保という消極目的と、家に風呂がない国民にとって必要な公衆浴場の確保という積極目的)
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