【地方自治法】長の専決処分はこれだけ知っておけばOK

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地方自治法には、「本来なら議会が議決or決定しなければいけない事項だけど、一定の場合には普通地方公共団体の長が代わりに処分を下すことができる」という規定があります。

これを「専決処分」といいます。

この「専決処分」については、試験対策上、狙われるポイントが限られています。
それを今回は見ておきましょう。

 

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専決処分には2種類ある

まずは専決処分には2種類あるという点を押さえておきましょう。

根拠となる条文によって内容が異なっています。
地方自治法179条1項と180条1項です。

 

第179条
普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。

 

179条の専決処分は、議会を開くことができない場合や、開いている時間がない場合、あるいは議会がいつまで経っても議決しない場合などに、仕方ないから長が代わりに決めます、というものです。

いわば緊急避難的に法律が認めているものなので、「法定代理的専決処分」とも呼ばれます。

 

第180条
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。

 

一方、180条の専決処分は、「そんなに重大なものでもないし、早く決めた方がいいから長に任せよう」と、議会が長に委任するものです。
議会が任意に決めているので、「任意代理的専決処分」とも呼ばれます。

ちなみにこの条文の「議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したもの」という言葉は、丸暗記しておきましょう。
文字数的に、記述にしやすそうな感じがします。

専決処分後に必要なのは「承認」?「報告」?

出題ポイントとして狙われやすいのはここじゃないかと思います。

「法定代理的専決処分」と「任意代理的専決処分」では、処分後に長が議会に対してしなければならないことが異なっているのです。

 

法定代理的専決処分の場合
→次の会議において議会に報告し、その承認を求める必要がある
任意代理的専決処分の場合
→議会に報告するのみで足りる

 

なぜこのような違いがあるのか?

理由はめっちゃカンタンです。

任意代理的専決処分は、そもそも議会が議決により指定した事項だからです。

議会が「これはお任せします」と委任したものなのに、処分後に改めて承認が必要なんておかしいですよね。

だから報告だけでOK。

 

反対に、法定代理的専決処分の場合は、議会が長に委任したわけではなく、長が緊急避難的にやったことですから、処分後にはキチンと報告して、承認を受ける必要があるというわけです。

なお、承認が得られなくても、専決処分の効力は失われません。

 

この違いはしっかり理解しておきましょう。

行政法
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