ニュースを見ていると
「中国公船が接続水域に入域した」
「領海に侵入した」
「北朝鮮のミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した」
などの言葉を目に、あるいは耳にすることがありますよね。
深く考えていないと、「あぁ、日本の近くにきたんだな。けしからんな」くらいにしか思わないと思います。
でも、「領海」と「接続水域」と「排他的経済水域(EEZ)」は範囲が違いますので、その区別をつけられるようになっておきたいですね。
ということで今回はこの3つの違いについて押さえておきましょう。
それぞれの範囲
まずはそれぞれの範囲です。
ご覧の通り、大きく違いますね。
特に排他的経済水域(EEZ)はかなり遠いところまで及んでいることが分かります。
(図では簡略化して書いていますが、領海や接続水域より遥かに遠くまでが範囲となります。ちなみに1海里は1.852kmです)
次にそれぞれがどんなところなのかを押さえておきましょう。
領海
「領海」は、陸から一番近い海域で、引き潮時のライン(基線)から12海里(22.2km)までの範囲です。
ここは沿岸国の主権が及ぶ範囲であり、つまり国の一部です。
もし外国船などがここを通ろうとするときは、沿岸国の安全を害さないことが条件となります。(これを「無害通航」といいます)
接続水域
一方で、「接続水域」は、領海からさらに12海里先までの範囲です。
沿岸国の主権は及ばないため外国船が航行することも可能ですが、領海に近いこともあり、密輸や密入国の管理など、法令違反の防止のために沿岸国による一定の規制や取り締まりが認められています。
もし、外国船が領海に到達してからしか取り締まれないというルールだとしたら、領海の端から陸地まではわずか22.2kmしかありませんから、早い船であれば30分足らずで到達してしまいます。そのため、予防のための緩衝地帯として設けられているわけですね。
排他的経済水域(EEZ)
「排他的経済水域」は、引き潮時のライン(基線)から200海里(370.2km)の範囲となります。
その水域のすべての資源を探査・開発・保存・管理することができる他、海流や海風を利用した自然エネルギー生産などの経済活動を排他的に行える水域となります。
外国船の通航は自由ですが、漁業や調査を行う場合は沿岸国の許可が必要となっています。
日本は周りを海で囲まれている島国ですので、この排他的経済水域が非常に広いです。
その広さは世界第6位。
有数の海洋国家なんですね。
押さえておくべきポイント
それぞれの水域において認められる活動については、実は各国の主張がぶつかり合っていて、必ずしも明確ではなかったりします。
もし試験に出るとしたら「明確な事実のみだけ」ですので、まずは距離(どこからどこまでか)、主権が及ぶか否か、そして日本の排他的経済水域の面積が世界第6位という点を押さえておきましょう。
●接続水域は、領海から12海里(基線から24海里)までの水域である。
●排他的経済水域は、基線から200海里までの水域である。
●日本の排他的経済水域は、世界第6位である。
まぁしかし、中国公船は機関砲を搭載して「領海」にまで侵入しているのですから、相当タチが悪いことが分かりますね。
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