公法上の関係でも私法が適用された判例

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行政法の判例の中には、公法上の法律関係であっても、民法等の私法が適用されたものがあります。
これはよく問われる部分ですので、どんな例があるのか結論だけババッと押さえておきましょう。

 

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民法が適用されたもの

農地買収処分「後」土地の対抗要件は民法が適用される(登記の先後で決する)

※農地買収処分そのものには民法の適用がないことに注意

国税滞納処分による差押えは、民法上の差押えと同じ類のものであるから、民法が適用される
公営住宅の使用関係にも民法および借地借家法が適用され、信頼関係の法理が適用される
公立病院の診療に関する債権も市立病院の診療と本質的に変わらないので、消滅時効は民法の3年が適用される
地方議会議員の報酬請求権は、公法上の権利であっても譲渡できる
●現金の出納権限を有しない地方公共団体の長が借入金を受領した行為には、民法の表見代理が成立する(権限外の行為の表見代理)
道路位置指定をうけた道路の敷地所有者が道路上にゲートを設置したことにより通行が妨げられた近隣住民は、人格的権利として通行権を有する
自衛隊員への安全配慮義務違反に基づく国に対する損害賠償請求権の消滅時効は、民法の10年が適用される
※判決要旨はこちら
●自治体の工場誘致政策の変更により損害を被った者は、信頼関係の破壊を理由として不法行為の責任を追及できる

 

適用されなかったもの

農地買収処分
自作農創設特別措置法に基づく農地買収処分は、国家が権力的手段を以て農地の強制買上を行うもので、民法上の売買とは異なる
防火地域内の耐火建築物
防火地域内にある耐火建築物の外壁について定めた建築基準法65条の規定は、民法の「境界線から50cm離す」規定は適用されない
公営住宅の使用権の相続
公営住宅は所得の少ない国民のためのものであって、相続人が当然に使用する権利を承継するものではない
生活保護受給権の相続
生活保護受給権は最低限度の生活を維持するために個人に与えられた一身専属権であり、相続の対象とならない
行政法
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