練習問題37(民法)

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【問題】
Aは、ある土地に鉄道の駅ができるとの噂を聞き、その予定地の土地所有者Bに対し「いずれ駅ができるのでこの土地を売って欲しい」と依頼した。
Bもその話を信じたため、通常の相場よりも高い値段でその土地をAに売却した。
ところが、鉄道の駅ができるという噂はまったくのデタラメであり、Aが錯誤に陥ったことには重大な過失があった。
Aは契約を錯誤により取り消そうとしたが、Bは「Aには重大な錯誤があるため、取り消すことはできない」と反論した。
この場合につき、Aは取り消すことができるか。その理由も含めて40字程度で答えよ。

 

 

 

 

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(これ以上は、解答を書いてからスクロールしてください)

 

 

 

 

【解答例】

BはAと同一の錯誤に陥っていたので、Aは重大な過失があっても取消すことができる。

 

「錯誤取消し」についての問題です。

今回のケースはいわゆる「動機の錯誤」です。
動機の錯誤は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときは取り消せることになっています。
「駅ができるから買いたい」ということをBに表示しているのがそれです。

しかしAには重大な過失がありました。
通常、表意者に重大な過失があった場合は、錯誤を主張することはできません。

しかし

① 相手方が悪意または重過失により知らなかったとき
相手方も同じ錯誤に陥っていたとき

は、相手方を保護する必要がないので、表意者に重大な過失があっても錯誤の主張が認められることになっています。

今回のケースは、売主も「駅ができる」という話を信じていますので、②が該当します。
よって、Aは契約を取り消すことができます。

これは従来「共通錯誤」と呼ばれていたものですが、条文では「同一の錯誤」となっています。記述で書く際はどちらでも大丈夫でしょう。

民法95条
(前略)
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
① 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
② 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。

錯誤は狙われやすいポイントが多いと思いますので、よく見ておいてくださいね。

【改正対応】「錯誤取消し」を分解して分かりやすく解説
今回は改正民法の中で「錯誤」を取り上げます。 全面的に変えられていますので、試験対策上は絶対にチェックが必要な部分ですね。 まずは条文全体をチェック <改正前> 民法95条 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったとき...
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