債権者代位権をこの1ページで分かりやすく解説

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今回は「債権者代位権」についてみていきましょう。

民法を勉強していて「おっ!こんなことが可能なのか!便利だなぁ!」と思う部分かもしれません。

なにせ「自分のものじゃない債権を自分が行使できる」という特殊なものですから。

 

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債権者代位権とは何か

債権者代位権とは、債務者が自分の権利を行使しないとき、債権者が債務者に代わって「債務者が第三者に対して有する権利」を行使することをいいます。

ややこしいので例を挙げて解説しますね。

のび太はスネ夫に100円を貸しました。
スネ夫は「明日には返すよ」と言いました。
ところが、翌日を過ぎてもスネ夫はのび太にお金を返そうとしません。
しかもスネ夫は今、財布の中がスッカラカンのようです。

一方、スネ夫はジャイアンに300円貸していました。
のび太からすればスネ夫がジャイアンに請求してくれれば、自分にもお金が戻ってくると思います。
しかしスネ夫はジャイアンに請求しようとしません。

こんなとき

のび太はジャイアンに直接100円を請求することができる

これを債権者代位権といいます。
これは便利ですね!

 

要件は?

債権者代位権を行使するには一定の要件が必要です。

①被保全債権(のび太の債権)が金銭債権であり、履行期が到来していること
②債務者(スネ夫)が無資力(スッカラカン)であり、権利を自ら行使していないこと(ジャイアンに請求していない)
③代位行使される権利(スネ夫がジャイアンに持つ権利)が、一身専属の権利ではないこと

※一身専属の権利・・スネ夫だけが行使できる権利(慰謝料請求権、財産分与請求権、相続など)(※ただし、具体的な金額が確定している場合は代位可能です

 

上記が満たされていれば、のび太は、スネ夫の同意もいらず、裁判所に訴える必要もなく、のび太の名で直接ジャイアンに請求することができます

ちなみに、もしのび太の金銭債権の履行期が到来していない場合は、裁判上の代位でなければなりません。ただし、保存行為であれば、履行期前でも裁判所を通さず可能です。

保存行為とは、スネ夫がジャイアンに対して持つ債権が消滅時効にかからないよう、のび太がジャイアンに請求して時効を中断する行為などを指します。

 

請求できる範囲は?

のび太がジャイアンに直接請求できるのは、のび太の持つ債権の額までです。つまり100円です。
スネ夫はジャイアンに対して300円の債権を持っていますが、全額を請求することはできません。
これはあくまでのび太の債権を保全するためのものだからです。

 

債権者代位権の転用とは?

さて、今までは金銭債権について見てきました。
しかしこの債権者代位権は、金銭債権以外でも認められる場合があります。

えっウソ!
さっき「要件は金銭債権であること」って言ってたじゃん!!

はい、その通り。

しかし、民法423条は「自己の債権」としか書いていないため、金銭債権でなくても認められる余地があるのです。
そこで、債権者の債権を保全する必要があり、債務者が自ら権利を行使しないような場合には、債権者代位権を拡張して適用することがあります。

それを「債権者代位権の転用」といいます。

一番よく挙げられる例を出してみましょう。

ジャイアンはスネ夫に自らの土地を売却しました。
そしてスネ夫は、その土地をのび太に売却しました。
ところが、土地はまだジャイアンの名義のままとなっています。
本来であれば、ジャイアン→スネ夫→のび太という順に移転されなければなりません。
しかしスネ夫がジャイアンに対して移転登記請求をしないため、のび太は自分へ登記を移せずにいます。

こうした場合、のび太はジャイアンに直接移転登記請求ができます。
金銭債権ではないけれど、債権者代位権と同じようなことができるわけです。これが「債権者代位権の転用」です。

そして、この場合は、債務者(スネ夫)の無資力要件は必要ありません。

 

これは債権者代位権の応用知識として、ぜひ知っておいてください。

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