今回のテーマは「早稲田大学江沢民講演会事件」です。
講演会に参加した生徒の名簿を大学が警察に提出したことがプライバシーの侵害に当たるかが争われた事例です。
事件の概要
早稲田大学において、中国の国家主席であった江沢民の講演会が行われた。
その際、参加を希望する生徒は、名簿に学籍番号、名前、住所、電話番号を記入し入場券を受け取っていた。
警視庁は防犯上の観点から大学側に参加者名簿の提出を求め、大学はこれを了承した。
講演会の参加者Xは、「無断で名簿を渡されたことでプライバシーが侵害されたと」して大学を訴えた。
争点
学籍番号、氏名、住所、電話番号などは、プライバシーに係る情報として保護の対象となるか?
押さえておくべきポイント
学籍番号、氏名、住所、電話番号などは、秘匿すべき必要性は高くないが、本人が他人にみだりに開示されたくないと思うものであるから、プライバシーに係る情報として法的保護の対象となる。
プライバシー権については憲法上明文の規定はありませんが、13条から導き出されるというのが通説です。
第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
同様にプライバシーにまつわる判例として、「ノンフィクション『逆転』事件」もご覧になっておいてください。
「ノンフィクション『逆転』事件」を分かりやすくまとめました
憲法の判例において、重要な部分だけを書き残しておくシリーズです。
(そんなのあったか?と言われそうですが、今作りましたw)
判例はたくさんあるのに、一つずつ詳細を書いても、忙しい受験生はゆっくり読んでられない!
だから重要...
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