政教分離についての判例を押さえましょう

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今回のテーマは「政教分離原則」です。

政教分離原則とは、「政府」と「宗教団体」は分離していなければならないとする原則です。

なぜそのような原則があるのでしょうか?

それは、国民の「信教の自由」を守るためです。

 

政府がある特定の宗教と結びつくと、その宗教に特権的な立場を与えることになってしまい、他の宗教を圧迫することになります。
そうすると、結果的に国民の信教の自由が侵されてしまうのです。

ですから、政府は宗教と離れるようにしています。

このように、ある人権を守るために、その周りの制度を決めることを「制度的保障」といいます。

 

「学問の自由」という人権を守るために、「大学の自治」という制度を設けるのも制度的保障の一つ

 

そしてこの政教分離に違反していないかどうかを審査する基準を目的効果基準といいます。

目的効果基準
行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助・助長・促進又は圧迫・干渉になるかどうかで判断するもの

 

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判例を5つ押さえる

政教分離について争われた主要な訴訟は5つです。
合憲が2つに、違憲が3つ。

違憲…!?

そう、憲法判例で違憲判決が出ているということは要チェックですね!!

ということで見ていきましょう。

 

違憲判決 3つ

愛媛県玉串料訴訟

愛媛県知事が、公金から靖国神社に対して玉串料を支出した行為が違憲とされた事例。

[理由]
靖国神社という特定の宗教団体の祭祀に玉串料を公金から支出することは、一般人の視点から見て宗教的意義を持つから。(玉串料の奉納は、慣習化した社会的儀式ではない)

 

砂川空知太(そらちぶと)神社訴訟

北海道砂川市が、市有地を神社の敷地として無償で提供したことが違憲とされた事例。

[理由]
市有地を宗教団体へ無償提供する行為は、一般人の視点から見て、特定の宗教団体に特別な援助をしていると評価されるため。

 

那覇孔子廟(こうしびょう)訴訟

沖縄県那覇市が、市管理の公園敷地に設置された儒教の祖を祭る「孔子廟」の土地使用料を全額免除したことが違憲とされた事例。

[理由]
年間で576万7200円にも上る使用料を免除することは、一般人の目から見て、市が特定の宗教に対して特別の便益を提供し、援助していると評価されるため。

 

合憲判決 2つ

津地鎮祭訴訟
三重県津市が、市立体育館を建設する際に地鎮祭を執り行ったことは政教分離に違反しないとされた事例。

[理由]
地鎮祭は宗教的意義が希薄化した儀礼的・世俗的なものだから。

 

箕面忠魂碑訴訟
大阪府箕面市が小学校の改築工事に伴い、隣接する忠魂碑を移設・改築し、慰霊祭に市の教育長が参列した行為は、政教分離に違反しないとされた事例。

[理由]
忠魂碑は宗教的性質が希薄であり、慰霊祭への参列も社会的儀礼の範囲内だから。

 

ということで、これはキーワードと結論を結び付けてしまえば覚えやすいです。

【違憲】
玉串料
市有地の無償提供
土地使用料の免除
【合憲】
地鎮祭
忠魂碑

特に違憲判決のキーワードはしっかり覚えておいてください。
これさえ分かってしまえば、あとは合憲と判定できますからね。

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