いまいち分かりづらい「制度的保障」はこう考えればカンタン

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憲法を勉強していて「制度的保障」という言葉を見たことがあると思います。
しかし、けっこう理解しづらい概念なんですよね。特に初学者の方にとっては。

それを今回はカンタンにご説明します。

 

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「間接的な強制」を防ぐための方法

皆さんがある企業に就職したとしましょう。
そこでは社内規則で「服装自由」と決められていました。

「やったぁ!自由っていいなぁ!」と思って私服で出社したところ、

「わが社は服装は自由なんですけど、スーツを着てる人を評価する制度になっています」

と言われたとしたらどうでしょう?

 

( °Д°) ポカーン

 

自由とはいいつつ、間接的に強制してるのと同じじゃないでしょうか。

本来保障されるべき自由が、その外側の制度によっては、いともたやすく侵害されてしまうのです。

こうしたことが起こらないようにするには、

「どんな服装の人でも、社内での評価は変わらない」という制度を作って、それを守るようにすることが必要ですね。

これが「制度的保障」です。

そうすることで、ようやく完全な「服装の自由」が守られるわけです。

 

制度的保障が出てくる場面

「制度的保障」という言葉が出てくるのは、主に

●信教の自由
●学問の自由

においてです。(他にもありますがこの2つがメインなので割愛します)

 

憲法が「信教の自由」を謳っていても、国が特定の宗教と結びついていたら、完全な自由は保障されません

憲法が「学問の自由」を謳っていても、国が大学の運営に介入できるとしたら、完全な自由は保障されません

 

だから

「信教の自由」を守るために、「政教分離」という制度を守るわけです。
「学問の自由」を守るために、「大学の自治」という制度を守るわけです。

 

ざっくりと「制度的保障」というものがお分かり頂けたでしょうか。

 

判例では「津地鎮祭事件」「東大ポポロ事件」などで出てきますので、一緒に見ておいてくださいね。

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