行政書士試験の本番も近づいてきていますが、宅建士の試験も来週のようですね。
知り合いに受験する人がいまして(※法律初学者)、先日勉強の進捗などについて話す機会がありました。
そこで抵当権の話になったとき、なんだか話がかみ合わない瞬間があったんです。
なんだか債権者と債務者がごっちゃになってるっぽい。
よくよく聞いてみると、「抵当権設定者」のことを「債権者」だと勘違いしていたようなのです。
そして「抵当権者」=「抵当権設定者」だとも思っていたようです。(表現が違うだけで、同じものだと思っていたそう)
たしかにこのあたりの用語は、初めて法律を学ぶ人にとっては紛らわしいですよね。
勘違いや読み間違えで点数を落としてしまうのはもったいないですから、今一度用語については確認しておいてください。
勘違いや読み間違えをしやすい用語
「抵当権者」と「抵当権設定者」
AがBに対してお金を貸しており、その担保としてBの土地に抵当権が設定された場合
Aは抵当権者
Bは抵当権設定者
です。
Aが原因となって設定されたことから、Aを設定者だと思ってしまうかもしれませんが、抵当権の対象となる不動産の所有者はBですので、設定者はBとなります。
もしどっちがどっちか分からなくなったら、とりあえず「抵当権者」と「抵当権設定者」を並べてみましょう。「抵当権者」の方が「権者」ってついてるので権利者っぽいですよね。だからそちらが債権者、と理解すればOKです。
「被相続人」と「相続人」
被相続人と言われて、すぐにどういう人かイメージできますでしょうか。
「被」という言葉が出てきたら「~される人」と置き換えてください。
被相続人は、相続される人
相続人は、相続する人
となります。
つまり被相続人とは「死亡した人」です。
「成年被後見人」と「成年後見人」
これも同じです。
「被」は「~される人」ですから、
成年被後見人は、後見される人
成年後見人は、後見する人です。
「みなす」と「推定する」
「みなす」は、本来別のものだけど、同一のものとして扱うという規定です。
例えば、未成年者が婚姻をすると成年に達したものとみなされます。(民法753条)
未成年者が成年じゃないなんて分かり切っていますが、結婚したらもう成年として扱う、ということです。
一方で、「推定する」は、それに反する事実が明らかにならないうちはそういうことにしておくという規定です。
妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定されます。(民法772条)
そのため、実は本当の父親が他の男だと判明したら、推定はくつがえります。
つまり、推定と違う事実が証明された場合は(←反証といいます)、その新たな事実に合わせることとなるのです。
「科料」と「過料」
こちらは民法ではなく行政法の分野になりますが、ついでに復習しておきましょう。
「科料」は刑罰であって、刑事訴訟法に従って科されますが
「過料」は刑罰ではないので、刑事訴訟法ではなく、非訟事件手続法に従って科されます。
試験中は緊張のあまり焦ってしまいがちですが、読み間違えなどしないよう注意しましょうね。
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