書面か口頭かは、これだけ押さえておきましょう

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行政不服審査法と行政事件訴訟法において、「書面」と「口頭」のものを簡単に覚えられるコツはないか?とのリクエストを頂きました。

これはまず、行政不服審査法と行政事件訴訟法の審理の違いを頭に入れておくと分かりやすいです。

つまり、

行政不服審査法は、原則書面審理

行政事件訴訟法は、原則口頭審理

ということです。

なぜかといえば、行審法は簡易迅速に不服申立てするための制度なので、なるべく書面で早く進めたいわけです。

一方、行訴法の場合はあくまで訴訟ですから口頭弁論が原則です。裁判所においてお互いの意見をじっくり聞いて進めるわけです。

 

行政不服審査法は、原則「書面」審理
行政事件訴訟法は、原則「口頭」審理

 

つまり、反対の場合を押さえておけばいいということになります。

行審法であれば「口頭」が出てくる場合、行訴法であれば「書面」が出てくる場合ということですね。

とはいえ、行訴法の「書面」の場合は教示くらいしかなく、行審法と共通なので省きます。

よって、以下では行政不服審査法で「口頭」が出てくる部分をピックアップします。

 

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原則書面の行審法で「口頭」が出てくるケース

 

19条
他の法律に「口頭でもできる」旨の規定があった場合は口頭で審査請求が可能
31条
審査請求人から申立てがあった場合は、審理員は口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。(※義務であることにも注意)
82条
行政庁は、審査請求や再調査の請求などが行える処分をする場合は、相手方に書面でその旨を教示しなければならない。ただし、処分が口頭で行われる場合は教示義務はない。

(分かりやすく書いただけなので、条文はちゃんと素読しておいてくださいね)

ここに書かれていないことは全て原則通り「書面」が要求されます。
例えば「裁決は口頭でも行える」などと書かれていたら×となります。

 

・審査請求は口頭でもできる場合がある。
・申立てをすれば、口頭意見陳述の機会が与えられる。
・処分が口頭の場合は教示義務はない。

 

行政手続法では?

「口頭」「書面」については、行政手続法の以下の点も押さえておきましょう。

8条・14条
「申請に対して許認可を拒否する処分」をする場合、また、「不利益処分」をする場合は、処分の理由を提示しなければならないが、処分を書面でするときは、書面によって示さなければならない。

つまり、処分が口頭の場合は、口頭で伝えればOKということですね。

 

ただし!
「処分」ではなく「行政指導」の場合は扱いが違うので注意してください。

35条
行政指導の場合は、口頭で行われた場合でも、書面を求められたら書面を示す必要があります。

行政指導の場合は、求められたら書面を出さなくてはなりません。
行政指導には法律の根拠が必要ないので、行政庁のやりたい放題を防ぐためです。

ただし、すべての場合に書面の提出が義務付けられると面倒なので、例外として

①その場で完了する行為
②すでに文書等で通知しているのと同一の内容の場合

は、書面不要となっています。

 

「処分」が口頭の場合 → 口頭でOK
「行政指導」が口頭の場合 → 求められたら書面(ただし例外2つあり)

 

その他、行政手続法では

「聴聞」:口頭
「弁明の機会の付与」:書面(※ただし、行政庁が認めた場合のみ口頭でも可能)

という基礎知識もしっかり押さえておきたいところです。

行政法
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コメント

  1. なみ より:

    ありがとうございます!!
    本当に分かりやすくてありがたいです!?✨
    しっかり覚えます!

  2. ryouhei より:

    いつもありがとうございます。教示について
    行政不服審査法と行政事件訴訟法における違いを教えて頂きたく、お願いします!
    試験間近で焦ってます!

    • gyoseishoshi より:

      こんにちは!
      合格道場のサイトにすっきりまとまっているページがありますよ。
      https://www.pro.goukakudojyo.com/pagestatic/w_main.php?pageID=130

      「利害関係人から求められた場合」が行審法と行訴法で異なっていますね。
      行審法の場合は、利害関係人から求められた場合も教示義務があります。ここは要注意ポイント。あとはほぼ同じです。

      追加で覚えておくとすれば、教示を間違えた場合に行審法は救済措置がありますが、行訴法にはないという点ですね。