練習問題34(民法)

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【問題】
AはBからB所有の不動産を購入したが、所有権の移転登記をしていなかった。
それを知ったCは、専らAを害する目的で当該不動産をBから購入し、所有権の移転登記を完了させた。
その後、DがCからこの不動産を譲り受け、移転登記を完了した。
この場合、DはAに対抗できるか。
DのAに対する関係に言及しつつ、判例に照らし40字程度で答えよ。

 

 

 

 

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(これ以上は、解答を書いてからスクロールしてください)

 

 

 

 

【解答例】

Aに対する関係でD自身が背信的悪意者と評価されない限り、Aに対抗できる。

 

不動産物件変動についての問題です。

不動産の対抗要件は「登記」です。

民法177条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

原則としては先に登記を備えた者が勝ちます。
これは悪意者であっても、です。

「あの人よりも高く買いまっせ!」というように、すでに第一買主がいると知った上で持ち掛けることも取引の自由というわけです。

しかし「背信的悪意者」に関しては保護されません。
本件のCのように、単に事情を知っているだけでなく、相手を害する目的で取引をした第二買主は、たとえ登記を備えていても所有権を主張できません。(=「第三者」に該当しない)

つまり、Aは、Cに対しては登記なしで所有権を主張することができます。

 

では、その背信的悪意者から譲り受けた転得者はどうなるのか?というのが本問です。

判例では、背信的悪意者からの転得者は、

第一買主に対する関係で、転得者自身が背信的悪意者と評価されない限り、不動産の所有権取得をもって第一買主に対抗することができる。
(最判平成8年10月29日)

としています。
なぜかといえば、背信的悪意者(第二買主)が保護されないのは、その人が信義則に反していることが理由なので、転得者は関係がないからです。

つまり、転得者自身が背信的悪意者でない限り、転得者は問題なく第一買主に対抗できることになります。

記述対策
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