憲法を学ぶときは、まずは違憲判決をチェック!

スポンサーリンク

今回のテーマは「違憲判決」です。

憲法の判例を学ぶにあたって、まず一番最初に把握しておかなければいけないことは、その判例が「合憲判決」だったのか「違憲判決」だったのか です。

憲法にまつわる判例は数多くありますが、そのうち違憲判決が出たものはほんのわずかしかありません。
圧倒的に合憲判決の方が多いのです。

とすると、試験対策としては当然、少ないものの方を押さえておけばいいわけです。

つまり、試験に出る有名な違憲判決をまずはチェックしておけば、あとは全部合憲と判断できるわけです。

では、試験で問われる可能性のある違憲判決13コを、まとめてチェックしておきましょう。

 

①尊属殺重罰規定

親殺しを一般の殺人よりも重罪としていた刑法の規定が違憲とされた。

目的は正当であるが、厳罰化しすぎで差別的な扱いになるため。

 

薬事法距離制限規定

薬局を開設するには、一定の距離をあけなければいけないとしていた薬事法の規定が違憲とされた。

不良医薬品の供給防止という目的に対する手段としては合理性がないため。

 

③④議員定数不均衡(2つ)

一票の格差が、1対5(または1対4.4)となった公職選挙法の定数配分が、法の下の平等に反し違憲とされた。

ただし、法令は違憲だが、事情判決によって選挙は有効とされた。

 

森林法共有分割制限規定

共有している森林の分割を請求できるのは、過半数の所有権を持つ者のみとしていた森林法の規定が違憲とされた。

森林の経営の安定化を図る目的であるが、規制手段としての必要な限度を超えており制限に合理性と必要性が肯定できないため。

 

⑥郵便法免責規定

郵便配達人の過失により発生した損害賠償責任について、書留か小包を紛失か棄損した場合のみとし、それ以外は免除するとした郵便法の規定が違憲とされた。

故意・重過失でも免責されてしまうのはおかしいため。

 

在外邦人選挙権制限

海外にいる日本人に、小選挙区の投票が認められていなかった公職選挙法の規定が違憲とされた。(※比例区の投票は認められていた)

国民の選挙権の行使を制限することはやむを得ない場合のみ許されるが、正当な理由なく長期にわたって選挙制度を創設しないまま放置したことは、やむを得ない事情とはいえないため。

 

非嫡出子国籍取得制限

日本人と外国人の間にできた非嫡出子が日本国籍を取得するには、「父母の婚姻が必要」としていた国籍法の規定が違憲とされた。

目的には合理的な根拠があるが、手段に合理的関連性が失われており差別的であるため。

 

⑨非嫡出子法定相続分規定

非嫡出子の法定相続分を、嫡出子の1/2としている民法の規定が違憲とされた。

嫡出子と非嫡出子を区別することが、時代の変化によって法の下の平等に反するようになったため。

 

女子再婚禁止期間規定

女性の再婚禁止期間を離婚から6ヶ月としていた民法の規定が、100日を超える部分が違憲とされた。

嫡出推定の2つの規定の重複をさけるには100日でよいため。

 

以上が、法令そのものが違憲とされた判例です。
以下は、法令は合憲だけれど、当該事件における適用が違憲とされた判例です。(適用違憲)

 

⑪第三者所有物の没収

関税法の規定に基づき没収刑が言い渡された事件において、第三者の所有物を所有者に告知、弁解、防御の機会を与えることなく没収することが違憲とされた。

法律の定める手続きによらず、財産権を侵害してはならないため。

 

愛媛県靖国神社玉串訴訟

愛媛県が靖国神社に対し、公金から玉串料を支出したことが違憲とされた。

玉串料の奉納は、その目的が宗教的な意義を持ち、その効果が特定の宗教に対する援助、助長、促進になるため。(目的効果基準)

 

砂川空知太(そらちぶと)神社訴訟

北海道砂川市が、市有地を神社の敷地として無償で提供したことが違憲とされた。

一般人の視点から見れば、特定の宗教団体に特別な援助をしていると評価されるため。

 

最近の憲法問題は結論だけではなく、どうしてその結論になったのか?という判断過程も問われていますので、併せてチェックしておきましょう。

 

なお、学ぶ媒体によっては、「違憲判決は10個しかない」と書いてあったりしますが、それは法令違憲の判決だけをカウントしているからですね。

実際の試験では適用違憲の判決も問われるので、チェックしておく必要があります。
(適用違憲の判決は他にもありますが、試験で問われる可能性があるものは上記の3つくらいです。もし気になる方は他の判決も調べてみてください)

コメント